死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
「はは」


私は笑いを漏らした。


「なんですか?」



「え、いやすごい奇跡だなぁって」



「ですよね。あのロボットとデートしたかったな」
下を向いてポロッと口にする。


「そ、そう?」
私も笑いをポロッと口にする。



「とりあえずカレー食べよか」

私はまだ3口くらいしか食べていなく、沢山余っている。

食べると、冷たい感触が伝わる。

「冷めてる…」


「冷めてます」
爽玖くんも同じことを言った。


「でも」


「おいしい」

私の「でも」を、爽玖くんはおいしいと繋げてくれた。私もおいしいと感じた。

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