死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。

「もういいから。ありがとう。」


俺は心の目を見て、笑顔を見せた。


これは、あの人に教えてもらった笑顔。



「…」


心は、何かを決心したように俺に強い瞳を向ける。




「新川くん。友達だからね」



なぜか勝手に友達にされていて驚いたが、心は笑っていた。



「え?」



「またね」



またね。それは、叶うことなのだろうか。


死ぬことは、怖いけれど、怖くない。


今までの辛さ悲しみ後悔、それらのほうが1000倍辛いから。何もこれから先いいことなんてないと信じる。

もう嫌いなんだ。全部。全部。




屋上へ向う。



屋上で、飛び降りることにした。
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