死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
その時。


−ガチャッッ



え。こんな時に。誰か入ってきた。

屋上には誰も来ないはずなのに。


後ろを振り向くと、制服がよく似合う1人の女子。



「さ……っ!!!まっ!!て!!!」


勢いよく叫んでいるけれど、風が強いので聞こえない部分が多いが何を言っているのか大体はわかる。


ありがとう。でも俺は。ごめん。




風がやんできた。


俺はじーっと彼女を見つめる。




その時。声が聞こえた。



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