死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
本当の自分を出すことは、怖いけれど。
「君は、私のヒーローなの!!!!」
その時。爽玖くんの目が大きく開いた。
その中からは、光が見えたのだ。
「辛いこともある」
泣く夜も勿論あった。変な勘違いを生んでしまったことも。
「悲しいことだってある」
友達関係を崩してしまったこともある。
「けど!!!生きること」
生きる。
それは、決して簡単じゃないし、難しい。
「わたしは君に出会えて、死にたいと思うし、思わなくなった!!」
精一杯叫ぶ。
「いなくならないでほしい。私なんか顔も良くないし話も特に面白くない!!!」
自信がなかった。
「でもね!!!私の為にでいいから!!生きてほしい」
青い空。秋の柔らかい風がくる。だけど負けない。
「ヒーローなんか、来ないかもしれないしヒーローなんか、いないかもしれない!!!いや、いない!!!」
それでも、絶対。
「それでも!君を私が救う!!!」
ヒーローなんか、いないんだ。
でも、本当は。
身近にいる人がヒーローになる。
「お願い」
私と、今を生きよう。
「生きて……」
最後の生きて……は、強く脆く弱いような3文字でだった。