死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。

「え、爽玖くん」

爽玖くんは、下を向いている。顔が見えない。


「もしかして、私…昔、君を救けたり…?」


自信がないので、最後にりをつける。


「はい」



「え」



「あなたは、俺を救けてくれた。2度も」


その時。

爽玖くんは、顔を上げた。


泣いていた。一筋の涙が爽玖くんの白い肌の頬を通る。



私も泣いてしまった。くしゃくしゃな顔になってると思う。


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