死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。


「何で、今日死のうと思った?」


「…昨日のことがあったから」


昨日のこと…?水族館…?

「夏菜さんの笑顔を、見て、俺…だめだと思った。この笑顔は、守らないとって」


「ありがと…」

私は照れながら自分の笑顔について考える。


「国上さんとは、俺の掃除場所が小学生のとき、一緒だったからです。全部国上さんに話した。」


「そう…なんだ」

掃除場所で、私は心ちゃんと仲良く慣れた。やっぱり下級生と交流を保てるのは掃除場所なんだと、今まさに思う。


「よかった。ほんとによかった」

私は、安心して地面にへたり込む。

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