死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
「はぁ〜行った意味なしかー。。」


1人ごとを頭を下に向け、小さく放ったところで、前から声がした。



「何がですか?」



「!?え、あ、爽玖くん…!」


やば。すごい声を上げてしまった。


声がしたので頭を起き上がらせると、
前には、一昨日と全く変わらず、
真顔な爽玖くんが立っていた。


何やら10冊ほどの数学と書かれた教科書を軽々と持っていた。



爽玖くんは制服がよく似合っている。



「どんだけ俺のこと恐れてるんです?」



「ああ。いや、違う違う。」


爽玖くんと目が合う。綺麗な黒い目だ。


私は、なんだか自信が持てなくて、目を人と合わせるのが得意じゃない。



けど、爽玖くんとなら、合わせられるような気がした。
 


「一昨日はありがとうございました。何してたんですか?」



「あーえっと−」



爽玖くんを見に行こうと…と、
言おうとしたが、なんかストーカーみたいなので、言わないでおこう。



「ちょ、ちょっと学校の中を散歩?みたいな?」


うう。戸惑いすぎて変な言い訳しか考えつかなかった。


「2年生なのにやってるんですか?変わった趣味ですねー。」



うっせー!うう。爽玖くんに私の趣味は学校の中散歩することって思われてしまった…。
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