死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
「爽玖くん」
「はい?」
「かんばろうね!」
キラーンとして、彼女は笑った。
「ふふ。はい。がんばりましょ!夏菜さん」
「あ、今日はのってくれるんだ」
「なんで今日はなんです?」
「ふふ」
小学生の頃と変わらず、俺の大好きな笑顔をまた見せてくれる。
「俺も、大学行こうと考えてます。」
「私と同じところ…とか?」
彼女は冗談交じりで言った。
「んー…まだ迷ってるんです」
「そうなんだ」
「やっぱり俺と女子大学生が会うことなんか、この世間からしたら…異常ですね」
俺は思っていたことを伝える。
「ああ。たし…かに」
彼女は、やっと湯気が舞い上がるココアのコップに口をつける。
なので、俺もココアのコップに口をつけて飲むことにする。