死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
「さ、爽玖くんは何?その荷物。」



「ああ。これ、先生に頼まれたので。」



「ああ。そうなんや。」


私の後ろには職員室があるので、届けようとしたのだろう。



「で?何が行った意味なしなんです?」


「え…っと、何でもない!」


聞いてたんかぁ…



「ふーん。そうなんですか」


なんだか疑うような目でこちらを覗いてくる。



「返事、考えてきました?」



気づけば1階のろうかには、誰もいなかった。
私達の声がろうかに残る。



「えっと…ごめん。まだかな。」



「わかりました。」
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