死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。


「私さ…こんなに、男子と話したの初めてだ」



「そうですか。俺も女子と話さないので」  


爽玖くんは、初めて話した時よりも、なんだか真顔で無表情じゃない。

真顔だけど。

話しているうちに、ずっと無表情だけど、表情が分かってきた気がする。


「あ、そういえば敬語いらないよ?」



「いや、俺それだったら喋れません。」


いや、喋られへんことないやろ…!?



「じゃあどうやって同級生と喋ってるんだよ。1回だけ、タメ口で喋ってみてよ!!」


「えー…」


なんでか爽玖くんの頬、いや、顔全体が赤に染まる。


「い、いいですよ…。でも何て言うんです?」

うーん…。私はしばらく下を向いて考えた。そして、顔を起き上がらせある悪ふざけを考えた。
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