死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
「ははっ…」
え、
「え…?さ、さ、爽玖くん…今…今…わら、笑った?」
「え…?ああ」
どうしてこのタイミングで爽玖くんが笑うのか不明だけど、ほんの一瞬、彼は笑った。
すぐに真顔になったので、ほんの一瞬。
彼の笑う所は、想像すらできなかった…。
無邪気な小さな子供のような、
ホントに可愛らしい笑顔だった。綺麗だった。
な、な、なんだろう。どうして?
知り合い方はすごかったけど、最近知り合ったばかりなのに…。
涙が溢れ出てきた。
眼の前がぼやける。
頬をつたって、涙の雫が下へ落ちる。
スカートの太もも部分に涙のシミが残る。私はその光景を見て、爽玖くんの方を見た。