死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
涙がやっとおさまってきたところで、爽玖くんは口を開く。



「俺の笑顔、どうだったんですか?」



「え?」


「俺の笑顔なんかに泣いてくれる人なんて…初めてです。まあ皆初めてだろうけど。」


少し嬉しそうな口調やトーンで彼は話す。



「なんで…泣いてくれるんです?」



「わからない…。前に知り合ったばっかりなのに…どうしてだろう。
爽玖くんの笑顔、なんか感動した。」



「感動って…。ありがとうございます。」



「俺の笑顔なんかに泣いてくれて。」
 


「なんで…俺の笑顔なんかって言うの?」



素直に、私は疑問をぶつけてみる。


「いや…だって、俺の笑顔…変じゃないですか?」


意外な言葉が飛び込んできて、急いで返事を返す。



「え?なんで?そんな事、微塵も思わなかった。とっても、いい笑顔だった。」



私は心の中の思っていたことをそのまま言った。どうして変なんだろう。
可愛らしくていい笑顔なのに。



「…。ありがとうございます。」



「うん。爽玖くんの笑顔、ホントによかったから、大切にして。」


これだけは言っておきたかったので言った。

「はい…。」

窓の先の空の方を向いて、彼はうなずく。
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