死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
彼はとても人気者で、運動神経が抜群で、陸上部のエースらしい。
何度もいうけど、来週の掃除場所が同じやつだ。
いつも一緒にいる(浅倉)亮平の姿はない。
あ、もう一度言うが、
その亮平も来週の掃除場所が同じやつだ。
亮平は、今日もまたバスケの朝練らしい。大変だな。
「ああ、く、国上。」
毎回、突然人に話しかけられるとおどおどしてしまう…。それを気づかれないようにしてるが多分気づかれてる。
な、何の用だろう?
「だから!俺のことは陽翔でいいって言ってんだろ。」
彼は口をへの字にし、怒ったように言葉を口に出す。
私はクラスの人全員、皆下の名前で呼んでるから私も下の名前で呼んでるが、
国上は上の名前。
理由はなんだか国上は国上って感じがするから。
それなのに、全然分かってもらえない。
「あー。ごめんごめん。いや、だからさー。国上は国上って感じするからって」
一応笑っておく。
「はぁー。まあいいけどよ。