死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
放課後。


私は、また昨日と同じように、

誰もいなくなった教室で、

窓の先の雨を見ながら、爽玖くんを待っていた。


雲があるから雨が降れて、水があるから雨がある。これってなんだか凄いことだ。



雲模様はとても悪いけど、雨は綺麗だった。

その無数の雨が地面に落ちるまで見つめていると、ずっとこのまま、いつまでも見ていられる景色。だと思う。





ガラッ−




「あ、爽玖くん。」

首を少し回すと爽玖くんがいた。
今回は息切れしてない。


「夏菜さんおはようございます」


そう言いながら、昨日と同じように私の向かいの席に座り、体をこちらに向ける。


「それを言うなら今はこんにちはじゃない?」
笑いながら私は小さくツッコミをする。
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