死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。

「夏菜さんはこの世界に、もし雨や空や太陽、宇宙がなかったら。

どう思いますか?」



急な質問、そして難しい質問を唐突にしてきた爽玖くんに戸惑ってしまう。


「え、え?えっと…」


少し雨を見て考える。

無言の時間。少し気まずかったので、私は急いで言葉を発する。


「嫌だ。世界にこれらがないなんて…。

それに、太陽がなきゃ明るくないし、宇宙がなければ星とか夜景とか見れない。」


「ですよね。

1つ1つ太陽も明るくするという役割があるからこの世界からは消えてほしくないと言われている。


それに、雨や空は、見上げればあって、とても綺麗ですよね。」
 

「うん?」
 

「自分も………この世界に…役に…というか、いる意味とかあるんでしょうか。」



「…え…?そんな…」

どうしてそんなこと言うんだろう…。
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