死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。

これが…爽玖くんが自殺したい理由なんだろうか。

そうだとしたら。尚更私は相談にのらなければならない。




「夏菜さんは優しいですね。」



爽玖くんと目が合う。

落ち着いた、黒い漆黒の目。

私はおどおどした表情で爽玖くんと目があっている。


これじゃ…だめだ。爽玖くんには…生きてほしいから。生きる意味なんて…



「爽玖くん」


「え、?」


私は爽玖くんの両肩を掴んで、勢いよく、真剣に。


今までにないくらいしっかりと彼の目を見つめる。
 


「生きる意味なんて…いらない。」



「…?」


私がこんなこと、言えないかもしれない。

言える資格なんてない。私も生きる意味なんてないと。考えてしまうから。

でも、心が。頭が。口が。言え夏菜。と言う。

勝手に口が心のままに動く。心のままに。

こんなの小さい頃以来。

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