死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。

「来てくれて、ありがとうございます。
あなたに、今から伝えたい事を伝えます。」


そして、一呼吸して目をゆっくりと開け、
彼は言った。



「俺と」



え、やっぱり…こくは…



「一緒に」


ん?




「死んでほしいです。死んで下さい。」





「は?」


衝撃の言葉に一歩後ずさる。


は?


えっ、これって…『心中』というやつ、?

互いの愛情を変わらないことを示すために、一緒に…



自殺すること…。。




え?私達初対面だよ?マジで?


こんなのなんて返せば…。



「あ、俺、別にあなたに恋愛感情とかないんで。心中とかじゃないんで。」


彼は真顔で、言葉を発する。



「は?」


なんやねん。ないんかい。ますます意味不明だわ。
 

じゃあ一緒に死ぬってなんやねん。


「俺、一緒に自殺する人探してるんです。
でも友達に言ったら、笑われました。」



いや、そりゃあ笑っちゃうでしょ…。意味不明やもん。




なんて言えばいいのか分からなくて、私は何も言えずにいる。



「もうこんな世の中、嫌になったんです。

でも1人じゃやっぱり心細いし…って言う訳で、一緒に死んで下さい。」



確かに…嫌になることはある。

だけど…それでも自分が心細いからって人といっしょに死ぬっておかしいでしょ…!!自分勝手すぎやん…!!

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