死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
バカ、アホ、死ね、あいつきも、きしょ、ひどー、…
気にしなくていい。わかっているのに。
心に大きくナイフが刺す。
「えっちょっと待ってよー」
私はそう言って笑う。
そのしえり達は、しえりまでもが、後ろをキョロキョロ見て、私の反応に期待している。
「テスト対策とかやってるー?」
そう言っただけ。
「今そんな話してないやん!ホンマに空気読まれへんな」
聞いてみたくなって、不意に聞いただけ。
確かに、私も悪い。でも…
他の子が聞いたら、ちゃんと普通に答えるのに。
こんな感じの、いじり。
「あいつキモいよなぁお前みたい!」
「なんでよ!」
軽く受け流す。でも、本当は。
本当は。
気にしなくていいのに。
こんな言葉、別に−
傷ついている自分に情けなくなる。
だから、認めたくない。
いつしか、人と話すことが怖くなっていった。
何も話せなくなっていった。
だから、私は努力した。