死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
私は、今までのいじりについての、中学生の頃の事を話した。
爽玖くんは、ゆっくりと小さくうなずき、話を聞いてくれた。
「−馬鹿らしいよねー。こんなのに悩んで。気にしなかったらいいだけなのに」
私は小さく笑う。
「ほんと、バカ」
爽玖くんはさらりとバカという言葉をあげる。
「え…っ?さ、爽玖くんってそんなこと言う人やった?」
「夏菜さんってマジでバカですよねー。」
さらりと私をバカにしている目でみてくる。少しカチンっとなる。
「はぁ?一応私懸命に生きてるんだよ…いやそんなん、他にもいっぱい悩んでる人いるでしょ!失礼!」
「いや、まあそうですけど」
「?」
やばい。怒ってしまう。もう爽玖くんの前だと私は何でも言える気がした。