死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。


「笑えるじゃないですか」

どうしてだろう。私は、よく笑うようにしているのに。この疑問がわからない。

でも笑っている。私は。本当に笑っている。


「う、ん、。金曜日、やっと爽玖くんの前で言って、自覚した、から。」


そう、自覚した。あの時。あの瞬間。


私は嫌われないように、笑っていた。


作り笑いで、よく笑い、自分を作っていた。でも、それは本当の自分じゃない。

私は今。本当の自分を探しているのだと。あの時、やっと自覚したんだ。


「それでも私はやっぱりバカかな。」

ふっと笑みをこぼす。

「バカすぎでさー。答えが見つからない。分からない。

本当の自分が分からなくなって。何がいけなくてどう生きていけばいいのか」

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