死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。


「爽玖くんも…」

そうだ。いじめられてるって、言ってた…

「そ、そうだ。相談にのるよ?、私で…よけ、れば」

「いえ。いいです」

私は、駄目な気がした。

「いや、だめ、だと思うからさ。いいよ言ってみて?」

恐る恐る口にする。

「はぁ。だからいいですって。」

「そう…?」
死にたいほどに悩むこと。なんだろう。

死にたくなるときは私だって沢山ある。

でも。


「あ、相談なんですけど」

「え?!なに!」

頼ってくれることが嬉しくて、つい感情が高ぶってしまった。

「目、開きすぎ。そんなに俺の相談にのりたいんですか」

「あ、あいや別に」


「あの」


「うん」

あ、一応は相談を私にしてくれるらしいな。
真っ直ぐな瞳に負けそうになるが、耐えて次の言葉を待つ。

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