死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
ペラっ
「あっちょっ」
やっぱり97点の人に見られたくなくて、止めようとするが無理だった。
爽玖くんは私の答案用紙を少しの間見て、真顔で返してきた。
そこには
〈63点〉
「は?めっちゃしょうもないんですけど」
「なっ!!私国語得意なの!ちょっとこの点数は…」
なんやしょうもないって!!
「なに私国語できるんだよアピールしてんすか?」
「爽玖くんできるんじゃん!」
「まあ」
「センパイにだよ!!わたしは!!」
「こういうときにセンパイ地位を表すのやめてください」
「…はい。ごめんなさい」
少し声を出しすぎた。
久しぶりだ。こんな言い合い争いみたいな。
こんなにも、心の中の言葉を言えるのは爽玖くんだけかもしれない。