死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
「じゃ、俺、自殺は、屋上から飛び降りる方法にします!」
話をそらしている。完全に。
分かりやすすぎる爽玖くんの話の転換。
「話しそらしすぎっ」
思わずツッコミをいれた。
「なんで1人じゃなくて、2人で死のうとしたの?」
「怖いし寂しいからです」
寂しい、怖い…?
爽玖くんは、何故か1人のイメージしかなかったので、意外な言葉に驚きを隠せていない。
「この世界、この自分、そして、周りの人間。ぜーんぶ嫌になって。でも。」
爽玖くんは少し笑う。
「俺は、同じ人を探しています」