死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
授業が終わり、次の授業の準備をしていると、急に国上に声をかけられた。

「夏菜」

最近はよく話すと感じる。妙な噂をたてられなければいいけど…。

「?」


「ちょっときて」


「え?」

ぽかんと国上を見つめる。

「ちょっと話があるんだ」

そう言うと、彼はあるき出した。どうやらついてこいということらしい。


えええええ…!?


まさかの告白だったり…いや、あるわけないな。


「か、勘違いすんなよ」


「あ、はい」

ですよね。というか、別にされたくないし。

廊下に出て、曲がり、教室の隣にある階段の踊り場に出た。

すると、彼の足がとまった。

どうやらここで話をするらしい。

人通りは少ない。


「あのさ。お前どこ小?」

え?小学校の話…?国上は腕を組み、壁にもたれていた。


「え、えっと南東小学校」


「ふーんそうか。」


「?で、どうかしたの?」
 

「実はな、俺も、なんだ」


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