甘々イケメンな双子くんから、愛されすぎて困ってます。



わたしのために来てくれたんだって。

だから、それがすごくうれしくて。


『おうち……帰らなくていいの……っ?』


『いいよ。泣き止むまで一緒にいてあげる』


『おうちの人、心配しない……?』


『たぶん平気。お父さん仕事で忙しいし、お母さんはいないから』


わたしがはじめて好きになった男の子。


ちょっと口は悪いけど、ずっとそばで寄り添ってくれる、優しい男の子だった。


だけど――ある日突然、ぱたりと姿を消した。


ほぼ毎日、公園に行ったけど会えることはなくて。


あぁ……やだ。


みんなわたしのそばからいなくなっていく。


お母さんもお父さんも……あの子だって。


寂しくて悲しくて……。


気づいたら、大切な存在を失うのが怖くなって――。



「……りん」

「…………」


「叶琳」

「……っ、あ」

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