甘々イケメンな双子くんから、愛されすぎて困ってます。
「陽世には俺の貸すから叶琳が俺に教科書見せて」
「ちょっと待ってよ夜紘。僕は叶琳ちゃんにお願いしてるんだよ?」
「わざと忘れてんのまるわかりすぎ。それで叶琳に近づこうとしてる魂胆もバレバレ」
「えー、なんのことかな? 人聞きの悪いこと言うね」
もうふたりの相手してたら日が暮れそう……。
いっそのこと、わたしが教科書貸してふたりで見てもらったほうが早いんじゃ?
「すごいねぇ、叶琳ちゃん愛されてる~!」
「夏波ちゃん、からかわないで!!」
「え~、だって学園内で有名なイケメン双子から、こんなアプローチされるなんて!」
「アプローチじゃなくて!」
「というか、これは叶琳ちゃん争奪戦だよね!」
今話しかけてくれたのは、最近仲良くなった同じクラスの楠木夏波ちゃん。
夏波ちゃんは、ふんわりしたボブが似合うとっても元気で明るい性格の子。