【重愛注意】拾われバニーガールはヤンデレ社長の最愛の秘書になりました 2
ド変態だ……!
家に斎藤はおらず、静まりかえった玄関でフェリシアが『おかえりなさい、佑さん、香澄さん』と挨拶をしてくれた。
「フェリシアを迎えたのは、便利なのもあるけど、誰もいない家でもこうやって迎えてくれるからなんだ」
「確かに……、分かります」
香澄も誰もいない家に「ただいま」と言い続けてきた。
けれど1DKのマンションに「ただいま」を言うのと、このだだっ広い御劔邸に「ただいま」を言うのでは、返事のない空しさの規模が違う。
だから彼がフェリシアを迎えた気持ちが、よく分かる気がした。
「着替えますね」
「ん」
香澄はまっすぐ二階に向かい、佑は一度リビングに入った。
(初日に色々あって流石に疲れたな)
荷物を置き、CEPのワンピースは慎重に脱いでとりあえずハンガーに掛けておく。
(流石に洗濯機で洗えないだろうし、あとで佑さんにどうすべきか教えてもらおう)
ルームパンツと半袖Tシャツに着替え、まずバスタブにお湯を溜め、洗面所でクレンジングをする。
(クレンジングも沢山あって、どれを使えばいいのか分からないんだよなぁ……)
自分で買い物をした物なら、ビューティーアドバイザーから使い方や効果などを説明してもらえるだろうが、今回は佑が纏めてどんっと買ってしまった。
一応、そのブランドのパンフレット、リーフレットなども入っていたのだが、すべて見るのは正直億劫だ。
「えーと、これ……使い方書いてあるかな……」
手に取ったのは商品パッケージが黒で統一されている、国内ブランドだ。
佑は「とりあえず何でも使ってみて、肌に合う物を愛用すればいい」と言っていたので、クレンジングからそのあとの保湿まで、一通り同じシリーズで試してみている。
なじみ深いチューブタイプのパッケージのクレンジングを掌に出し、乾いた手で顔を濡らさずクルクルとミルクを馴染ませていく。
(おお、落ちる落ちる)
手触り良くメイクが落ちていく感覚を体感してから、ぬるま湯で皮膚を擦らないよう洗い流し、続けて洗顔フォームで二度洗いする。
ずっと前に美容家が「皮膚は刺激を与えるのが一番駄目」と言っていたのを覚えていて、なるべく洗顔はネットでたっぷり泡立ててするようにしている。
疲れてすぐ寝たい時はさぼりがちだが、無心に洗顔ネットでモコモコと泡を作っていくのも、もう慣れた作業だ。
「んぷっ」
やがて漫画に出てくる雲のようにモコモコになった泡に顔を突っ込み、手で顔に触れないようにして泡で洗顔していく。
それもぬるま湯で落としたあとは、キュッとさっぱりした洗い上がりで少し嬉しくなった。
(しっとりする油膜が残るより、さっぱり系が好きなんだよなぁ)
最初は超有名海外ハイブランドの基礎化粧品を使ってみたのだが、どうにも顔に油膜が一枚被さった感じが落ち着かず、二度目を使うのは後回しにしている。
(どうしよ……。お湯が溜まるまで十五分から二十分……。パックでもしてるか)
化粧水で肌を整えたあと、リフトアップ効果があるらしいフェイスパックをし、ベッドで仰向けになって待つ事にした。
これも件の美容家が言っていた事で、仰向けになっていると重力に従ってフェイスパックが顔に密着するので、一番いいらしい。
今日一日を振り返り、反省点などを挙げているうちに、疲れのせいか意識がトロトロと落ちてしまった。
カシャッと音がし、いつの間にか眠っていた香澄は「ん……?」と覚醒する。
目を開けると、佑が立っていてスマホを構えている。
「風呂、沸いたみたいだよ。パックもあまり長時間してると、肌に良くないんじゃないか?」
「んぇっ!?」
ガバッと起き上がると、顔についたままのフェイスパックがかすかにズレるのを感じた。
「わっ……わっ……、み、見ないでください!」
香澄は慌てて洗面所に駆け込み、赤面しながらフェイスパックを外した。
(実家にいた時、お父さんが毎回『ギャッ』ってびっくりしてたっけ)
フェイスパックは基本的に白いので、父いわく有名な昔の邦画の白マスク役を思い出すらしい。
香澄も一時、歌舞伎メイク柄のパックや、有名なキャラクターの顔を模したパックをして、父を笑わせにかかっていた時期があった。
それを思い出しつつ両手で美容液を肌に押し込み、バスルームを覗くとすっかり準備が整っているようだった。
「一緒に入ろうか」
いつの間にか背後に迫っていた佑が言い、ドキッとして体を引こうも、彼の両手が出入り口の左右に回っていた。
前方にバスルームの空間はあるが、いわゆる壁ドン的な体勢を取られ、香澄は胸を高鳴らせる。
「い、一緒にって……」
「さっき言っただろう?」
「うう……でも……」
「こないだベッドインした仲じゃないか」
「それとこれは話が別で……」
ゴニョゴニョと言い訳をする香澄を、彼はギュッと抱き締めてくる。
「いいだろ?」
頬にキスをされ、美麗な顔で目の前で微笑まれては、もう何も言えなかった。
「……ずるい……」
かくして香澄はあっさりと敗北し、ルームウェアを脱がされてバスルームに押し込まれたのだった。
「どうしてこうなるんです?」
かけ湯をしたあと髪の毛は先に二回シャンプーされ、今はヘアパックを髪に揉み込まれてクリップで纏められた。
「洗いたいから」
そのあと、香澄は佑の手によってボディスクラブを掛けらた。
ザラザラしたスクラブで全身くまなく磨かれたあと、シャワーで洗い流され肌がツルツルになる。
さらに彼は手についた泡を流し、今度はジョン・アルクールのネクタリンのボディソープを数プッシュし、両手で泡立てた。
「だから素手で……っ」
背中を彼の手で洗ってもらっていると考えるだけで、恐れ多いし恥ずかしい。
自分では見えない部分だからこその羞恥もある。
「こういう風に洗われるのも、慣れてもらわないと」
「へっ? 慣れないといけないんですか?」
「ん? だってそうしないと一緒に風呂に入れないじゃないか」
「ど……っ」
「ど?」
「ド変態だ……!」
真顔で言ったからか、佑が笑い出した。
「そんなにおかしいかな?」
「だ、だって……っ。元……」
「元彼はそんな事言わなかった」と言いかけ、香澄はとっさに口を噤む。
だが言葉の先を察したのか、佑は香澄の腕に手を滑らせ穏やかに尋ねてくる。
「元彼はそんな事言わなかった?」
「……はい」
失言してしまったと後悔しつつ、香澄は素直に頷く。
「……すみません。比べるような事を言うの、一番駄目なのに……」
自分だって、佑に元カノと比べられたら落ち込んでしまうに決まっている。
「いや、いいよ。代わりに、俺も嫌な事を言っていい?」
「は、はい」
ドキッとし、覚悟を決めて頷くと、佑は香澄の背中に手を滑らせながら笑い交じりに言う。
「多分、香澄の元彼より、俺の方が香澄を思っているという自負があるし、俺の方がいい男だと思っている」
「……う。そ、それは……確かに……」
どんな〝嫌な事〟かと思えば、事実なのでその通りとしか言いようがない。
「俺はね、思うんだけど、好きな相手なら『感じさせてあげたい』って思うんだ。好きだからこそ、気持ち良くなってほしいし、他にも『美味しい』って言わせたいとか、色んな体験をして喜んでほしい。そういう奉仕的な思いがある」
「そう……ですね。私もそう思うかもです」
香澄も家族や友人には、機会を見つけてちょっとした贈り物をしたり、食事の機会を設けている。
「フェリシアを迎えたのは、便利なのもあるけど、誰もいない家でもこうやって迎えてくれるからなんだ」
「確かに……、分かります」
香澄も誰もいない家に「ただいま」と言い続けてきた。
けれど1DKのマンションに「ただいま」を言うのと、このだだっ広い御劔邸に「ただいま」を言うのでは、返事のない空しさの規模が違う。
だから彼がフェリシアを迎えた気持ちが、よく分かる気がした。
「着替えますね」
「ん」
香澄はまっすぐ二階に向かい、佑は一度リビングに入った。
(初日に色々あって流石に疲れたな)
荷物を置き、CEPのワンピースは慎重に脱いでとりあえずハンガーに掛けておく。
(流石に洗濯機で洗えないだろうし、あとで佑さんにどうすべきか教えてもらおう)
ルームパンツと半袖Tシャツに着替え、まずバスタブにお湯を溜め、洗面所でクレンジングをする。
(クレンジングも沢山あって、どれを使えばいいのか分からないんだよなぁ……)
自分で買い物をした物なら、ビューティーアドバイザーから使い方や効果などを説明してもらえるだろうが、今回は佑が纏めてどんっと買ってしまった。
一応、そのブランドのパンフレット、リーフレットなども入っていたのだが、すべて見るのは正直億劫だ。
「えーと、これ……使い方書いてあるかな……」
手に取ったのは商品パッケージが黒で統一されている、国内ブランドだ。
佑は「とりあえず何でも使ってみて、肌に合う物を愛用すればいい」と言っていたので、クレンジングからそのあとの保湿まで、一通り同じシリーズで試してみている。
なじみ深いチューブタイプのパッケージのクレンジングを掌に出し、乾いた手で顔を濡らさずクルクルとミルクを馴染ませていく。
(おお、落ちる落ちる)
手触り良くメイクが落ちていく感覚を体感してから、ぬるま湯で皮膚を擦らないよう洗い流し、続けて洗顔フォームで二度洗いする。
ずっと前に美容家が「皮膚は刺激を与えるのが一番駄目」と言っていたのを覚えていて、なるべく洗顔はネットでたっぷり泡立ててするようにしている。
疲れてすぐ寝たい時はさぼりがちだが、無心に洗顔ネットでモコモコと泡を作っていくのも、もう慣れた作業だ。
「んぷっ」
やがて漫画に出てくる雲のようにモコモコになった泡に顔を突っ込み、手で顔に触れないようにして泡で洗顔していく。
それもぬるま湯で落としたあとは、キュッとさっぱりした洗い上がりで少し嬉しくなった。
(しっとりする油膜が残るより、さっぱり系が好きなんだよなぁ)
最初は超有名海外ハイブランドの基礎化粧品を使ってみたのだが、どうにも顔に油膜が一枚被さった感じが落ち着かず、二度目を使うのは後回しにしている。
(どうしよ……。お湯が溜まるまで十五分から二十分……。パックでもしてるか)
化粧水で肌を整えたあと、リフトアップ効果があるらしいフェイスパックをし、ベッドで仰向けになって待つ事にした。
これも件の美容家が言っていた事で、仰向けになっていると重力に従ってフェイスパックが顔に密着するので、一番いいらしい。
今日一日を振り返り、反省点などを挙げているうちに、疲れのせいか意識がトロトロと落ちてしまった。
カシャッと音がし、いつの間にか眠っていた香澄は「ん……?」と覚醒する。
目を開けると、佑が立っていてスマホを構えている。
「風呂、沸いたみたいだよ。パックもあまり長時間してると、肌に良くないんじゃないか?」
「んぇっ!?」
ガバッと起き上がると、顔についたままのフェイスパックがかすかにズレるのを感じた。
「わっ……わっ……、み、見ないでください!」
香澄は慌てて洗面所に駆け込み、赤面しながらフェイスパックを外した。
(実家にいた時、お父さんが毎回『ギャッ』ってびっくりしてたっけ)
フェイスパックは基本的に白いので、父いわく有名な昔の邦画の白マスク役を思い出すらしい。
香澄も一時、歌舞伎メイク柄のパックや、有名なキャラクターの顔を模したパックをして、父を笑わせにかかっていた時期があった。
それを思い出しつつ両手で美容液を肌に押し込み、バスルームを覗くとすっかり準備が整っているようだった。
「一緒に入ろうか」
いつの間にか背後に迫っていた佑が言い、ドキッとして体を引こうも、彼の両手が出入り口の左右に回っていた。
前方にバスルームの空間はあるが、いわゆる壁ドン的な体勢を取られ、香澄は胸を高鳴らせる。
「い、一緒にって……」
「さっき言っただろう?」
「うう……でも……」
「こないだベッドインした仲じゃないか」
「それとこれは話が別で……」
ゴニョゴニョと言い訳をする香澄を、彼はギュッと抱き締めてくる。
「いいだろ?」
頬にキスをされ、美麗な顔で目の前で微笑まれては、もう何も言えなかった。
「……ずるい……」
かくして香澄はあっさりと敗北し、ルームウェアを脱がされてバスルームに押し込まれたのだった。
「どうしてこうなるんです?」
かけ湯をしたあと髪の毛は先に二回シャンプーされ、今はヘアパックを髪に揉み込まれてクリップで纏められた。
「洗いたいから」
そのあと、香澄は佑の手によってボディスクラブを掛けらた。
ザラザラしたスクラブで全身くまなく磨かれたあと、シャワーで洗い流され肌がツルツルになる。
さらに彼は手についた泡を流し、今度はジョン・アルクールのネクタリンのボディソープを数プッシュし、両手で泡立てた。
「だから素手で……っ」
背中を彼の手で洗ってもらっていると考えるだけで、恐れ多いし恥ずかしい。
自分では見えない部分だからこその羞恥もある。
「こういう風に洗われるのも、慣れてもらわないと」
「へっ? 慣れないといけないんですか?」
「ん? だってそうしないと一緒に風呂に入れないじゃないか」
「ど……っ」
「ど?」
「ド変態だ……!」
真顔で言ったからか、佑が笑い出した。
「そんなにおかしいかな?」
「だ、だって……っ。元……」
「元彼はそんな事言わなかった」と言いかけ、香澄はとっさに口を噤む。
だが言葉の先を察したのか、佑は香澄の腕に手を滑らせ穏やかに尋ねてくる。
「元彼はそんな事言わなかった?」
「……はい」
失言してしまったと後悔しつつ、香澄は素直に頷く。
「……すみません。比べるような事を言うの、一番駄目なのに……」
自分だって、佑に元カノと比べられたら落ち込んでしまうに決まっている。
「いや、いいよ。代わりに、俺も嫌な事を言っていい?」
「は、はい」
ドキッとし、覚悟を決めて頷くと、佑は香澄の背中に手を滑らせながら笑い交じりに言う。
「多分、香澄の元彼より、俺の方が香澄を思っているという自負があるし、俺の方がいい男だと思っている」
「……う。そ、それは……確かに……」
どんな〝嫌な事〟かと思えば、事実なのでその通りとしか言いようがない。
「俺はね、思うんだけど、好きな相手なら『感じさせてあげたい』って思うんだ。好きだからこそ、気持ち良くなってほしいし、他にも『美味しい』って言わせたいとか、色んな体験をして喜んでほしい。そういう奉仕的な思いがある」
「そう……ですね。私もそう思うかもです」
香澄も家族や友人には、機会を見つけてちょっとした贈り物をしたり、食事の機会を設けている。