幸せな家庭

自室に入ってスーツを脱ぎ、部屋着に着替える。リビングに行けばもう実は泣き止んでいた。

「真奈、実を抱っこしてくれてありがとう」

「えへへ。真奈、お姉さんだからね！」

亜子に褒められて、真奈は嬉しそうにニコニコと笑う。真奈の腕の中で実はニコニコと笑っていた。二人は実に構っており、テーブルの上には湯気の出ている夕食がそのまま置かれている。

「お〜い、早く食べないと冷めるぞ？」

裕也が声をかけると、二人は「わかってる」と言い実をベッドに戻し、椅子に座った。裕也の隣には亜子が、亜子の前には真奈が座っている。

「いただきます」

手を合わせ、夕食を食べ始める。すぐに真奈は亜子に保育園であったことを話し始め、亜子はそれに頷いたり、話したりする。

「あのねママ、日曜日にね、ほのかちゃんが一緒に遊びたいって言ってた」

「ママもほのかちゃんのママから聞いたよ。一緒に水族館行きませんかって」

「水族館！行きたい！」

「じゃあ、行くってほのかちゃんママに言っておくね」