幸せな家庭
『いい家庭……?笑わせんな!!』
亜子はそう怒鳴り、電話は切れる。無機質な機械音が響く中、しばらくの間裕也は呆然として動けなかった。だが、亜子が何故離婚したがっているのかわからないままなことに気付き、慌てて家を飛び出す。
亜子がどこにいるのか、裕也にはわかっている。この町で初めて仲良くなったママ友のところだろう。彼女はシングルマザーのため、亜子と子どもたちを泊めても問題はない。
裕也は亜子に話をしたいことをメールで送りつつ、車を走らせた。
亜子の友人の家に着き、玄関につけられたベルを鳴らす。すると、友人ではなく亜子本人が出て来た。その顔は無表情だ。だが、顔が見れただけでも裕也の中で少し安心感は生まれる。
「真奈と実は?」
「……今は友達が見ててくれてる」
外で話すと人の目があるからと、二人は家の中に入る。リビングに入ると、見慣れたベビーベッドが見えた。実の使っているベッドだ。
「水族館に行く前に運び出した。もう戻る気は絶対ないから」
亜子はそう怒鳴り、電話は切れる。無機質な機械音が響く中、しばらくの間裕也は呆然として動けなかった。だが、亜子が何故離婚したがっているのかわからないままなことに気付き、慌てて家を飛び出す。
亜子がどこにいるのか、裕也にはわかっている。この町で初めて仲良くなったママ友のところだろう。彼女はシングルマザーのため、亜子と子どもたちを泊めても問題はない。
裕也は亜子に話をしたいことをメールで送りつつ、車を走らせた。
亜子の友人の家に着き、玄関につけられたベルを鳴らす。すると、友人ではなく亜子本人が出て来た。その顔は無表情だ。だが、顔が見れただけでも裕也の中で少し安心感は生まれる。
「真奈と実は?」
「……今は友達が見ててくれてる」
外で話すと人の目があるからと、二人は家の中に入る。リビングに入ると、見慣れたベビーベッドが見えた。実の使っているベッドだ。
「水族館に行く前に運び出した。もう戻る気は絶対ないから」