ピグ中毒




次の日も、その次の日も、僕はカラオケパーティーを開いた。


そして、そのまた次の日も、そのまたまた次の日も、少女はやってきて、


「レモンミルクティーさん、今の人、完全に音程外れてましたよね」


「レモンミルクティーさん、今の曲、聴いたことないからそんなこと言えるんじゃないんですか?」


「レモンミルクティーさん、この人、プロフィールにアイドルになりたいって書いてありますけど、本当になれると思ってますか?」


など、どこかトゲのあることを言った。それに対して、僕は何とか平静さを保って、なだめるのだが、少女の返事は一貫して、


「へー」


だった。



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