ピグ中毒
おそらくそれが10日くらい続いた時、僕はとうとう我慢ならなくなって、
「だったら、キミが歌ってみればいいんじゃない?」
と意地悪を言った。すると、少女は、
「じゃあ、歌います」
と言って、呼吸を一つして、歌い出した。
その歌声を聞いて、僕はあーあ。と思った。
あーあ。
そして、歌い終わった少女に向かって、僕は込められるだけ込めた最大限の侮蔑で、
「よかったよ」
と言ってやった。
そしたら、少女。急に泣き出す。
わんわん、わんわん、発情期の犬もドン引きするほど、わんわん、わんわん、泣きだした。
「あー、レモンミルクティーさん、泣かしちゃったよwww」
「なんで泣くの、この子。レモンミルクティーさん、よかったって言ってたのに」
など、場は僕をいじる側の人間と、僕を擁護する側の人間で石を投げ合っていて、
何はともあれ、荒れた。荒れに、荒れたのだ。