ピグ中毒




おそらくそれが10日くらい続いた時、僕はとうとう我慢ならなくなって、


「だったら、キミが歌ってみればいいんじゃない?」


と意地悪を言った。すると、少女は、


「じゃあ、歌います」


と言って、呼吸を一つして、歌い出した。


その歌声を聞いて、僕はあーあ。と思った。


あーあ。


そして、歌い終わった少女に向かって、僕は込められるだけ込めた最大限の侮蔑で、


「よかったよ」


と言ってやった。


そしたら、少女。急に泣き出す。


わんわん、わんわん、発情期の犬もドン引きするほど、わんわん、わんわん、泣きだした。


「あー、レモンミルクティーさん、泣かしちゃったよwww」


「なんで泣くの、この子。レモンミルクティーさん、よかったって言ってたのに」


など、場は僕をいじる側の人間と、僕を擁護する側の人間で石を投げ合っていて、


何はともあれ、荒れた。荒れに、荒れたのだ。



< 26 / 35 >

この作品をシェア

pagetop