ピグ中毒
目を覚ますと、星空があった。
ずっとあったのに、前ばかり見ていたせいか、とても久しぶりな、そんな感じがした。
僕はトラックに投げ出されていた。
でも、指先ですら動かせない。
それなのに、それなのに、僕ってやつは。
「ああ、綺麗だ」
そして、星の数を数えだした。
一つ、二つ、三つ……。
その中でも、一番小さく輝く星。
あの星が一番綺麗だと感じた。
その瞬間、指先がああ、動く。
必死に手を伸ばす。
掴めるか、掴んでいいのか?
いや、掴む。
そうして、ブレーキが壊れたなら?
ふっ、また落ちればいいだけじゃないか。
小さな星はまだこんなにもたくさんあるのだから。