悪魔と私
Ⅴ 湖の中・クロードside
クロードは森の中をさまよい歩いていた。
こっち側の森は、村まで歩いてきた側の森よりも複雑だ。
(あいつっ…どこいったんだよ(怒)
この森は、魔物が住んでいると聞いたことがある。
あいつが巻き込まれていたら…めんどくさいことになる。
「きゃあぁっ!」
突然、耳を劈くような叫び声が、森に響き渡る。
聞きなれた声。アイルだ。
「やっぱり…巻き込まれたか…」
クロードはめんどくさそうに言うと、ため息をついた。
(何であいつはいつもめんどくさいことに巻き込まれるんだ?)
クロードは考えながら走り出した。
答えは分かっている。それは、あいつがすごく強力な魔力を持っているからだ。