悪魔と私


「ふん、面白い。では、交換条件として、連れて行く代わりに、お前が仇をとったら、その身も心も俺に捧げると誓え」


(身も…心も…?)


「いいわ。だって、仇をとったらもう、心残りなんてないもの」


「じゃあ、血の契約を…」


「ちのけいやく?」


なんだろう、ちのけいやくって…


「ああ。血の契約は、人と悪魔が魂と血の契約をするときにする、儀式だ。血の契約をすると、契約を破ったものは血に蝕まれて死ぬ、というものだ」


(血に蝕まれて死ぬって…なんか怖い…)


青ざめた私を見て、男は「大丈夫だ」といった。


「契約を破らなければいい話だ。さあ」


おいで、と男は腕を伸ばす。


私は男の腕の中にすっぽり納まった。
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