意地悪王子には騙されない。
しばらくして、授業が始まる。


真優(うーん、なんとなくわかるようになってきたはいいものの……なんで、李音くんは寝てるんだろう)


スースーとうつ伏せて呑気に眠っている李音。


李音「むにゃ……」

真優(すごく気持ちよさそうに寝てる……)


本当は今にも叩き起こしたい気持ちを抑えて、1限目は目を瞑ってあげた。


◇2限目少し前


李音「んー……」

真優(ま、まだ寝てる!?)


さすがに起きると思ったのに、全く起きる様子がない李音。


真優(もう我慢できない……!!)


席を少し李音に近づけて、ポンポンと背中を叩く。


真優「李音くん、授業サボらないの。」

李音「んー……怒ってるま〜ちゃんも可愛いね。」

真優「んなっ……!?ってわぁっ……!?」


可愛いと言われて少し照れてしまっていると、思い切り腕を引かれて胸の中に閉じ込められる。


李音「あー……柔らかくていー匂い。もう一回お昼寝する」

真優「えっ?ちょ、離してよ……!」
  (なんかいい匂いするし、思ったより筋
   肉あるし……!!)


心臓がバクバク動いてくる真優。


李音は気持ちよさそうに二度寝に入ろうとしていた。


李音「もう離してあげない……スースー……」

真優「えっ?り、李音くん!?」


自分の首筋に顔を埋められた状態で、李音が眠りについてしまったらしい。


真優(最悪、だ……)


周りの女子たちの視線が痛くて、虚な目をする。


李音(僕の可愛いお嫁さん……早く結婚式を……)


もうぐっすりで、夢を見始めた李音。その夢は、真優と結婚式を挙げるというものだった。

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