意地悪王子には騙されない。
先程まであんなに眠たそうにしていて穏やかだったのに、まるで豹変してしまった李音に驚いていた。


李音「今、すごいご機嫌斜めなんだけど」

真優「私には関係ないんですけど……」

李音「真優のバカ。」

真優「えええ……」
  (そんなこと言われたって……)


眉毛を垂らして、困った顔をする真優。


李音「真優のそう言う顔、本当可愛い。いじめてあげたくなる」

真優「きゃっ」


コツンと額同士がぶつかり合う。


李音「ねー……もっと意地悪なことしていーい?」

真優「無理です」

李音「本当釣れないなぁ。お願い」

真優「ふざけるんだったら帰るよ!」
  (やっぱりチョコに釣られるんじゃなか
   った!)


心の中で後悔しながら、逃げようと動く真優だったが。

頬にそっと手を当てられて、またキスされた。


李音「真優とのキスって本当甘い」

真優「ぬなっ……!!私のファーストキス、返してよ!!」

李音「今のはファーストキスじゃないよ?3回目」

真優「さ、3回……?」

李音「安心して、寝込みを襲ったりはしないから」

真優「何言ってんの李音くんの変態!!」


今度は怒りと恥ずかしさに打ちのめされて、李音の胸を思い切り押した。


真優「やっぱりわけわかんないよ、李音くんカッコいいしモテモテなんだから、私以外の女の子で遊べばいいじゃん……!!」

李音「真優以外の生物に興味がないんだ」

真優「……え?」
  (私以外の生物に、興味がない……?)

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