意地悪王子には騙されない。
少し口を開けながら、ポカンとしている真優に真面目な顔でそう言った李音。


真優「いやいや、そう言うのいらないよ?」

李音「自分でも怖いぐらいに、キミ以外の何かに興味を持つことができないんだ……」

真優「っ……」
  (ほ、本当なの……!?)

李音「ねぇま〜ちゃん、どうしたら僕のこと見てくれる?」

真優「へっ?」

李音「ま〜ちゃんに振り向いてもらいたいんだ」

真優(それじゃまるで、私のことが好きみたいじゃない……!)


遊ばれているだけだとわかっているのに、あまりに李音が真剣な顔をするから惑わされてしまう。


李音「あ。誰か来た。隠れよ」


手を引かれて、入り口の死角である本棚にしゃがみ込んで共に隠れた。


真優(ち、近いっ……!!)


李音が真優を後ろから抱きしめるかのように、口を塞がれて、喋られたら耳に息がかかってしまう距離だった。


女子生徒「あ、あのね、私▲○くんのことが好きなの」

男子生徒「え……?俺も好きだった!」

女子生徒「本当!?」

男子生徒「うん、会った時からずっと……」

女子生徒「じゃ、じゃあ付き合ってくれる……?」

真優(まさかの告白シーンに出くわしてしまった……)


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