意地悪王子には騙されない。
第二話
○真優の自宅。
李音「本当は一緒に帰りたかったんだけど、残念だね」
(アイツのこと……いい加減見るのやめろよ)
真優「残念……?」
ポカンとすることしかできない真優に、李音は悲しげに微笑む。
事情を知る母親が、心を痛ませながら二人を眺めていた。
李音「……って言うことでね、迎えにきたよ、真優のこと」
真優「迎え……?どうして?」
李音「どうしてって……言ったよね?」
(僕と、結婚してくれるって)
真優「言った……?もしかして、同居のこと……?」
(そんな、冗談以外ありえない……!!)
李音「もう後戻りは出来ないんだ、ま〜ちゃんのお母さんにも許可はもらってるからね」
真優母「そうなのよ真優、事情があってね」
真優「事情……?私、そんなの知らないよ……!!」
(好きな人だって、いるのに他の男の人、しかも今日出会ったような人と同居だなんて絶対に嫌!)
李音「ま〜ちゃんは知らないかもしれないけど、実は僕たち婚約関係に置かれてるんだ」
真優「こ、婚約!?」
(そんな、嘘、どうして!?)
驚くことしかできない。だって、真優の家は裕福な方ではあるが国民的な御曹司と婚約するようなものではない。
それに今の時代、婚約だなんてよっぽどのことだ。
李音「……俺だって、望んだ婚約じゃないんだ……だから、いずれきっと終わる。ほら、さっさと終わらせよう」
真優に手を差し出す李音。
今言ったことに真実などなかった。
それは、李音と真優が———
○回想・幼稚園時代
「コイツ、お嬢様らしいぜ?」
「うわ何それやばっ」
「えー、男なのにおじょうさま?変なの〜」
バカにする言葉が飛び交う。
李音の母親の意見で、幼稚園ぐらいは普通のところに通わせてあげようと、入った場所だった。
李音(僕……変なのかな)
【りお】と言う名前だって、男女問わず素敵な名前だ。
だけど、“女の子みたい”とからかわれていた。
それはおそらく、顔立ちが整っているから故のことだ。
いつしか幼稚園にも通いたくなくなって行き出した李音。
けれど、そんな李音に希望の手が差し伸べられる。
李音「本当は一緒に帰りたかったんだけど、残念だね」
(アイツのこと……いい加減見るのやめろよ)
真優「残念……?」
ポカンとすることしかできない真優に、李音は悲しげに微笑む。
事情を知る母親が、心を痛ませながら二人を眺めていた。
李音「……って言うことでね、迎えにきたよ、真優のこと」
真優「迎え……?どうして?」
李音「どうしてって……言ったよね?」
(僕と、結婚してくれるって)
真優「言った……?もしかして、同居のこと……?」
(そんな、冗談以外ありえない……!!)
李音「もう後戻りは出来ないんだ、ま〜ちゃんのお母さんにも許可はもらってるからね」
真優母「そうなのよ真優、事情があってね」
真優「事情……?私、そんなの知らないよ……!!」
(好きな人だって、いるのに他の男の人、しかも今日出会ったような人と同居だなんて絶対に嫌!)
李音「ま〜ちゃんは知らないかもしれないけど、実は僕たち婚約関係に置かれてるんだ」
真優「こ、婚約!?」
(そんな、嘘、どうして!?)
驚くことしかできない。だって、真優の家は裕福な方ではあるが国民的な御曹司と婚約するようなものではない。
それに今の時代、婚約だなんてよっぽどのことだ。
李音「……俺だって、望んだ婚約じゃないんだ……だから、いずれきっと終わる。ほら、さっさと終わらせよう」
真優に手を差し出す李音。
今言ったことに真実などなかった。
それは、李音と真優が———
○回想・幼稚園時代
「コイツ、お嬢様らしいぜ?」
「うわ何それやばっ」
「えー、男なのにおじょうさま?変なの〜」
バカにする言葉が飛び交う。
李音の母親の意見で、幼稚園ぐらいは普通のところに通わせてあげようと、入った場所だった。
李音(僕……変なのかな)
【りお】と言う名前だって、男女問わず素敵な名前だ。
だけど、“女の子みたい”とからかわれていた。
それはおそらく、顔立ちが整っているから故のことだ。
いつしか幼稚園にも通いたくなくなって行き出した李音。
けれど、そんな李音に希望の手が差し伸べられる。