意地悪王子には騙されない。
明らかに不機嫌な華恋。今までこんな姿なんて見たことなかったから、恐怖を覚えた。


李音（ま〜ちゃんのバ〜カ。さっさと僕に縋ればいいのに）


うつ伏せながら李音は横目で、様子を伺っていた。

真優が自分に助けてと言えば、助けてあげようと考えて。


華恋「みんな（女子）も言ってないだけで、結構思ってるんじゃない？近すぎだって。ファンの子も多いんだし、少しは気をつけた方がいいと思うよ」

真優「う、うん……」
　　（なんで私が説教されてるんだろう……
　　　やっぱり、イケメンとは関わらない方
　　　が身のためだなぁ。）

華恋「あ、勘違いしないでね！これは真優ちゃんに単純に気をつけて欲しいって心配してるだけだから！」

真優「う、うん、ありがとう」


少し下を向きながら、頷いた真優。

悲しげな顔をする真優を見つめながら、李音は少し頬を膨らませていた。


真優（少し、寂しいかもだなんて思ってた私がバカだった。そりゃそうだよね、釣り合わないもん）


悲しげな顔をする真優を見つめているのは、李音だけではなかった。


蒼人（真優、大丈夫かな）


遠くの席から、蒼人が真優を見つめていた。

そんな2人のことなど気づかずに、真優は頬をぺちぺちと叩いて勉強を再開させたのだった。



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