意地悪王子には騙されない。
李音「……ま〜ちゃん、やっぱ無理かも。僕寂しくて死んじゃうな」

真優「李音くん……私ね、ドキドキするような物語は少女漫画だけでいいの」

李音「そんなのつまんない。僕と刺激的な恋愛してみるのはどう?」

真優「絶対嫌」
 
李音「ま〜ちゃん本当は寂しかったんでしょ?ちょっと思ってたの、知ってるよ」

真優「そ、そんなことないよ!」
  
李音「ふ〜ん」


ジロジロとこちらを見てくる李音から目を逸らした。


李音「そういえば、チョコレートケーキ、今日食べよっか」

真優「あ!忘れてた……」
  (図書室行った時のご褒美だよね)

李音「ただし……条件がある」

真優「え?」


○帰り道

◇夕方


真優「……これで本当にいいの?」

李音「うん、ありがとう♪」


ご機嫌良さげに返事をした李音。


今2人は、手を繋いでいた。

真優はとても不本意だ。でも、どうしても高級チョコレートケーキが食べたかったので我慢していた。


李音「こうやって手繋ぐの、懐かしいね」

真優「え?懐かしい……?」
  (初めて、だよね?)


ポカンとしながら頭を巡らせる。

まさか……部屋で寝込み中を侵入され、手を握られていたのだろうか。
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