意地悪王子には騙されない。
李音「ま〜ちゃん、結婚しない?」

真優「は、はぁっ……!?」
  (結婚……!?)


目をまん丸にする真優。


李音「僕たち、約束したんだ。」

真優「や、約束……?」

李音「心から離れないんだよ、真優の優しい小さい頃の顔が。覚えてない?チョコだぁいすきな李音くん」

真優「チョコ大好きな李音くん……?」
  (うーん……)


しばらく一生懸命記憶を巡らせていると……。


真優「あ……!あの、女の子みたいな可愛い子!」

李音「女の子って……十分男なんですけど」

真優「めちゃくちゃ美形で、お人形さんみたいだったよね」

李音「……うん」

真優(あれ?照れてる……?)


ストレートにそう言われて、少し嬉しくて頬が染まってしまった李音。


真優(李音くんって押されると弱いよね……)

李音「覚えててくれたの?」

真優「今思い出したの。よく一緒にチョコレート食べたよね」
(私はなかったけど、李音くん鼻血出しちゃってたりしてたかも……)


勉強が難しくなって、頭がいっぱいいっぱいだったので過去のそれも幼い時のことなんて思い出す余裕がなかった。

でも、間違えなく楽しかった記憶として李音とのことは残っていたと思う。



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