意地悪王子には騙されない。
真優「え、な、なんで……!?」


慌てて起きあがろうとするも、李音に抱きしめられていて動けなかった。


李音「むにゃ……ま〜ちゃんだめだよ、こんなところでちゅーなんて……」

真優「んな!何言ってんの李音くん!」


変なことを言うものだから、つい頬を赤くしながら李音に大声でそう言ってしまった。


李音「ん……?ま〜ちゃん、おはよう」

真優「お、おはようだけど、手、離して……?なんでこんなことになってるの……?」

李音「離れるの嫌。このまま話してあげる」


余計に腕に力を込められて、更に抵抗することが許されなくなってしまう。


真優「えええ……めちゃくちゃ困るんですけど……」

李音「ま〜ちゃんの困ってる顔、好きだからいいでしょ?」

真優「私はよくないよ……」
  (本当何言ってんだか……)

李音「えっとね」

真優(私の気持ちは無視ですか……)

李音「まさかのま〜ちゃんがチョコケーキで酔っちゃって、僕のほっぺにちゅーしたら寝ちゃった感じかな」

真優「……へ?」
  (今、なんて言った?)


李音の言っていることが全くとして理解できない真優。

ただ焦るばかりだった。


李音「ってか、ま〜ちゃんって寝てる時可愛い声出すよね」

真優「……え?」

李音「ちょっと耳触ったら反応しちゃって、理性ぶっ飛ぶかと思った」

真優「んなっ……!触らないでよ勝手に!」

李音「仕方ないじゃん、ま〜ちゃんがお嫁さんになりたいって自分で言ってきたし……元々耳弱いの知ってたからさ」

真優「し、知ってた……なんで?」
  (お嫁さんになりたいなんて言ってない
   はずだから……!!)

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