意地悪王子には騙されない。
李音「……可愛い」

真優「ぐすっ……嫌い」

李音「なんで?僕こんなにま〜ちゃんのこと愛してるよ?」

真優「付き合ってもない人にいっぱいキスする人は彼氏にできませんっ……」


李音にそっと涙を拭われる。

ゾゾゾっと真優の姿が愛らしくて、李音は加虐心を更に煽られる。


李音「誰でもいいわけじゃないんだ。真優だからいい」

真優「そうやってまた、からかうんでしょ……?ぅ……」

李音「ずっとからかってなんてないよ?全部本気だ。」

真優「嘘つきっ……」

李音「嘘じゃない。だから、真優が立花のこと好きって言った時、嫉妬でどうにかなりそうだった。俺の方がずっと先に好きだったのに、アイツが好かれるだなんて許せなかった」


悲しげに瞳を揺らしながら、そう言う李音。


真優(そんな顔されても……)

李音「でも、フラれてくれてよかった。真優の気持ちを捻じ曲げたいわけじゃなかったから」

真優「……」
 
李音「真優が俺のこと好きじゃないは知ってるけど、俺は真優のこと好きだよ?ずっと、小さい頃から」

真優「……本当……?」

李音「うん、本当」


驚くほどほど優しい笑みを浮かべて、李音は頷いた。




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