この感情が好きに変わるまで
「まあ小雨だな」
小雨か…。
「上桐、傘持ってきてる?私持ってきてないんだけど…」
朝、天気予報見てくるの忘れてたからな。
いつもの見ようと思うんだけどぽーんと抜けちゃうんだよね…。
「俺も持ってきてない」
「あれま…」
んー、それじゃあどうしようかな。
揚げフライだと少し時間かかるからな。
早めに帰って作りたいんだけどな…。
…仕方ないか。
「じゃあ走って帰ろ!家も近いんだしさ!」
「でも…」
何を躊躇っているのかよくわからないな、上桐は。
でもここは少し強引にいった方がいいよね!
私は上桐の手を掴んで走り出す。
「行こ、上桐!」
「ちょっ?!」
雨が強くならないうちに帰れば問題ない!
「早く帰って揚げフライ作らないとね!」
私がそう笑って言うと上桐も笑った。
「そうだな!」
そういえばここ…。
「上桐!ここ結構滑りやすいから気をつけ…わぁっ?!」
気をつけてって言おうとしたら私が先にすべってしまった。
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