この感情が好きに変わるまで
「上桐理久、16歳。誕生日は5月8日で血液型はAB型で身長は176cmで甘いものが好きで苦手なものはしょっぱいもの。それから…」
まだ続けようと思っていたらいきなり口を塞がれた。
後ろからスっと伸びてきた手によって…。
「はい、ストープ!それ以上は言わないでね、七瀬」
そう言って顔をヒョコっと出したのは噂の上桐だ。
私が無言で首を縦に頷けるとスっと手を離してくれた。
「上桐。いつからそこにいたの?」
「いや、結構最初からだよ」
最初からってことは…あれ、どこからだろ?
まあ、いいよねー!
「それよりよく知ってるね、俺の事」
となぜか少し嬉しそうに話す上桐。
私は不思議に思いながらも続けた。
「だってもう3ヶ月だよ?さすがにある程度はわかるって!」
私がそう笑って言うとすかさずみっちゃんが口を開く。
「え、私はわからないよ?相手にあんま興味ないし」
とみっちゃんは冷たく言い放った。
「ま、まあみっちゃんみたいな人もいるとは思うよ?皆が皆そうとは限らないし!」
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