この感情が好きに変わるまで
黙々と勉強に励む毎日。
つまらない人生だった。
そんなある人ある日のことだった。
私が湊くんに出会ったのは。
「きゃっ!」
曲がり角で私は男の子とぶつかってしまった。
突然の事だったので身構えることもできなかった。
そのため私は持っていた教科書や筆箱を落としてしまった。
そして最悪なことに筆箱のチャックが開けっ放しだった。
シャーペンや消しゴムやボールペンが床に転がり落ちた。
「気をつけろよな!」
「……」
男の子は謝りもせずにさっさと消えていった。
私は溜息を吐き、腰を下ろした。
最悪な1日だと思っていた。
…その時までは。
「大丈夫ですか?」
そう言って私の目の前で足を止めて腰を下ろし、ペンを拾ってくれたのが湊くんだった。
「はい、どうぞ」
そう言って私にペンを差し出してくれた。
「あ、ありがと…」
「いいえ!」
「湊早く来いよー!」
私の後ろの方から男の子の声がした。
呼ばれた"湊"くんは返事をして言ってしまった。
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