この感情が好きに変わるまで
「はーい!じゃあ、気をつけて」
そう笑って湊くんは颯爽と走っていった。
「…っ!!」
一目惚れだった。
人生で初めての恋だった。
そして私は床にあるものが落ちていたことに気づく。
「高校のパンフレット?」
湊くんの…?
それはある高校のパンフレットだった。
「七海学園高校?」
聞いた事のない高校だった。
気になって読んでみるとその高校は少し変わった高校だった。
その高校は結婚科があり、パートナーと2人部屋で寮生活を送るもの。
そしてそのパートナーは超正確なマッチングシステム“デステニー”で選ばれる。
これは運命だと思った。
私はその日から勉強に前向きになった。
行きたい高校も決まり、やりたいこともできた。
彼の隣にふさわしい人になりたい。
彼みたいに誰にでも優しい人でありたい。
そのために私は今まで以上に努力した。
そして無事に入学できた。
彼と同じ部屋でパートナー。
他の人と組むというのは想像していなかった。
それでももしかしたら私と湊くんは…!
そう思ったけど叶わない夢だったことに気づかされた。
「夏服…無駄になっちゃったな」
それが私の…初恋のお話。
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