ムショうの
無償の
「離婚したの」
うのちゃんから、そんな電話があった。
「・・・ふうん、そっか」
と言うと、ずいぶんアッサリだなぁと、笑われた。
だから一生懸命考えてみたけれど、出てきた質問は、「えっと、いつ?」だけだった。
おととい。うのちゃんは、ちょっとだけ笑って答えた。
三分四十八秒。
電話を切ったあとに表示された通話時間。久しぶりの姉妹の会話にしては、たしかにアッサリかもしれない。
だって、リコン、て。いきなりそんなこと言われてもってかんじだし。
お風呂上がったばっかだし。まだTシャツしか着てないし。もうじき楽しみにしているドラマが始まっちゃうし。
それに、「するの」じゃなくて、「したの」って言われたから。
完了したものに関して、今さらなにかを言ったって、しょうがないし。
・・・そっか。
髪をバスタオルでふきながら、思った。
ゆるい短パンをはきながら。ドライヤーめんどくさい、とつぶやきながら。チャンネルを、見たいドラマにあわせながら。
・・・そうか、離婚したのか、うのちゃん。
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