カフェとライター
「…return…」
ぽつり、呟いたタイトルに、え、と驚いた声を出し私を見るのは来くん。
ニッコリしていた新さんも、一瞬驚いた顔で表情を崩すので、内心間違った?と不安も過ぎる。
「だった、と思うんですけど、ありますよね?どの歌も素敵だなと思うんですけど、私は、その歌が一番好きです」
一瞬、しん、となったフロア。
間違えてないはずだけど、本当にタイトルを間違えたか焦って顔色を窺う。
「ういちゃん…本当はめちゃくちゃファン?」
「え?」
「returnねぇ、そこをくるとは、」
「すんげぇマイナーじゃん」
「むしろ聴いてる人いたんだ」
新さん、来くん、光くんから次々と溢れる言葉に、
そんなに、有名な曲ではないのかと思う。
「好きなら隠さず言ってくれればいいのにー」