カフェとライター




「あ、はい。ここ、風が当たって涼しいですよ」

置かれたサーキュレイターの風がわずかに当たるのでそこまで暑くない。


座っていた場所を少しズレて促すと忍成さんも腰を落とす。

「撮影順調そう?」


「朝方雨が降っていた関係で少し押してるみたいです」



「やっぱそうかー」

パタパタと袴の胸元を持ち動かしながら動きの確認をしている戒李くんを見る。

じっとしていても暑いのに袴を着て殺陣の練習をしている戒李くんはもっと暑いんだろうな、と思う。



何もしていない私が暑いなんて思えない。

「水野さん外あんまり慣れてなさそうだから無理しないでね」


「ありがとうございます」


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